「ねぇ、何処にいるの?」
僕にはもう、君が見えない
ここは僕が住む世界
ただ闇があるだけの世界
なんにもない場所
「ねぇ、誰か僕の名前を呼んで」
伸ばした手に触れるものはないと
わかってる わかっていたんだ…
ああ、背中の古傷が疼く
もう何度も続く痛み
病に蝕まれるかのような感覚に
僕は狂ってしまいそうで
顔もわからぬ、母君よ
どうか僕をここから出して…
本当は、気づいていた
僕はもうここにいてはいけない存在だってこと
それでも、叫ばずにはいられないんだ
「僕を消さないで」と
ああ、声が聞こえる
楽しそうな君の声
僕はそこに二度と行けない
だからせめて、神よ
どうか僕の最期の望みを聞いてください
「早く闇に溶けてしまいたい…」
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